まずはじめに認識して頂きたいことがあります。
それは石には本来キズが多く含まれているということです。
山から石を採掘しても全ての石が墓石になるわけではありません。キズのない厳選された石だけが墓石に姿を変えてゆきます。お客様の前に並ぶ墓石はいわば最終選考までたどりついたものといったところです。その他の石材は庭の敷石や積み石、又は埋め立てに使用されるB級品のあつかいになります。
ところが厳格な選考過程の中でも時として、仕上げ磨きをした後初めてわかる微小のキズが出現することがあります。これは「石屋泣かせの目無しキズ」と呼ばれています。もし仮にこのキズがあるまま墓石として建立されたら、長年の雨が浸み込んだあと徐々にその姿をあらわしてきます。そして夏の太陽に熱せられたあと夕立で急に冷やされたりすると更にキズ口が開いてきます。いわゆる風化現象の始まりです。わずかな石のキズでも、長い間自然の下にさらされると変化は避けられません。俗に「おてんとうさまにはかなわない」というたとえ通りです。
こういった場合のキズに対する石材店の対応はまちまちです。「このくらいのキズでは仕方ないだろう」と考える店、「安売りしたのだから・・・」と主張する店、「今すぐ崩れてしまうわけではないから心配御無用」といった店等々さまざまです。結局判断はその石材店の営業姿勢が反映されます。
お客様の信用・信頼にこたえるには、ちょっとでも不安なところがあれば出荷をしない覚悟を持つべきと私共は考えています。
「お墓は一生に一度の大切なお買い物です」
これは数十年来当社がお伝えしてきたフレーズです。お客様の一生に一度の機会を共にする私達は、日々誠実に石と向き合うことを信条としております。
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